しんごん-りっしゅう
真言律宗 |
鎌倉時代の初め、叡尊が興した真言系の律宗。
奈良の西大寺が本山。1895(明治28)年一宗として独立。 |
えいぞん
叡尊(睿尊)
(1201-1290) |
鎌倉中期の律宗の僧。大和の人。字(あざな)は思円、諡(おくりな)は興正菩薩。
はじめ密教を学び、のち戒律復興を志し奈良西大寺を復興。蒙古襲来の時、敵国降伏を祈願して神風を起こしたと伝えられる。貧民救済などの社会事業を行い、また殺生禁断を勧めた。 |
りっしゅう
律宗 |
中国で興った仏教の一宗。
戒律(とくに四分律)をよりどころとし、受戒を成仏の要因とする。日本へは754年唐僧鑑真によって伝えられた。南都六宗の一。本山は唐招提寺。戒律宗。 |
しぶんりつ
四分律 |
〔「しぶりつ」とも〕部派仏教の法蔵部の律。
漢訳は後秦の仏陀耶舎訳で、六十巻。四部から成り、律の代表的な教典。別称、曇無徳(どんむとく)律。 |
しんごん
真言 |
(1)〔梵 mantra〕密教で、仏・菩薩の誓いや教え・功徳などを秘めているとする呪文的な語句。原語を音写して用いる。語句の多いものを陀羅尼、数語からなるものを真言、一、二字のものを種子と区別することもある。呪。神呪。密呪。
(2)「真言宗」の略。 |
だらに
陀羅尼 |
〔梵 総持・能持と訳す〕教えの精髄を凝縮させて含んでいるとされる言葉。
教えの真理を記憶させる力、行者を守る力、神通力を与える力があるとされる呪文。訳経において意訳せず、梵語音写のまま唱える。主として長文のものをいう。大咒(だいしゆ)。 |
しゅうじ
種子 |
仏〕 唯識(ゆいしき)で、人間の心の根元である阿頼耶識の中にあって、あらゆる現象を生じさせる原因。 |
あらやしき
阿頼耶識 |
仏〕 知覚や認識・推論・自己意識などの諸意識の根底にある意識。すべての心の働きの源となるもの。唯識思想の八識の第八。阿頼耶識を煩悩(ぼんのう)をもつとするか、真如とするかは説によって分かれる。阿梨耶識(ありやしき)。頼耶。頼耶識。蔵識。無没識(むもつしき)。 |